離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
お墓参りを終えてマンションへと戻ってきた私は、叔母にも電話で結婚の報告をした。
『ごめんなさい。事後報告になっちゃったけど、叔母さんたちにも会ってほしいの』と告げると、電話口の叔母は涙声で何度も『おめでとう』と言ってくれた。
私もつられて泣き、隣にいた悠人さんはそんな私を困ったように、しかし、優しげに目を細めて見守ってくれていた。
引き取って育ててくれた叔母たちを裏切っているようで、悠人さんと結婚してから私はずっと心の奥でうしろめたさを感じていた。
電話口で泣くほど喜んでくれるなんて。少しは恩返しができたかな。
電話を切ったあとも、私の涙はしばらく止まらなかった。
こんなにも幸せになっていいのだろうか。