離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「嬉しそうだけど、どうかした?」

「改めて幸せだなって、噛みしめていました」

 私が言うと、こちらにやって来た悠人さんが私の唇に唇を寄せた。

「俺も。まつりと樹里の顔を見るたびに幸せだなって実感するよ」

 悠人さんは、満ち足りたような顔つきをしている。その柔らかな表情に、私も胸の膨れるような心地よさを感じた。

 背後にあったダイニングテーブルに手をついた私は、指先になにかが触れてふと手もとに視線を移す。

 テーブルの上には、白い封筒がある。

 そうだ。ポストを確認したらこれが入っていたんだった。

 寝ている樹里が気になりとりあえず差出人も確認しないまま手に持ってきた私は、その白い封筒を手に取る。
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