離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 コットンペーパー素材の厚手の封筒には、私たち夫婦両方の宛名が書かれている。誰からだろうと封筒を裏向けた私は、そこにあった名前を見て思わず目を見張った。

 そこには郁実の名前と、女性らしき人の名前が並んでいる。

 これって、結婚式の招待状? 郁実、結婚するんだ。

 激しい喜びが心に湧き起こる。

「まつり?」

 突然封筒を顔にあて歓喜に震える私を、悠人さんが不思議そうに見つめていた。

「郁実から結婚式の招待状がきたんです」

「そうなんだ。それはおめでたいな」

 私から郁実の話を何度か聞いていた悠人さんも、明るい表情で封筒を覗き込んでくる。

「郁実くんも結婚するんだな」

 しみじみ言う彼に「はい」と弾んだ声で答えると、突然手から封筒が奪い取られた。
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