離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 私は驚いて目を瞬かせながら悠人さんを見上げる。

 彼は不気味なまでににっこりとした笑顔を浮かべていて、私はその様子からなんとなく不穏な空気を感じ取った。

「幼なじみの喜ばしい知らせだってわかってるけど、今まつりの頭の中が郁実くんでいっぱいだと思うと少し妬けるな」

「えっ?」と狼狽する私の唇に、唇が重ねられる。それはしばらくしてからゆっくりと離れ、悠人さんの綺麗な顔が視界に飛び込んできた。

「本当だよ。できるならいつだって俺のことだけ考えていてほしいんだから」

「……悠人さんが想像しているよりも、私の中は悠人さんで埋め尽くされてますよ」

「わかってる。でも、君にはつい際限がなく求めてしまうんだ」

 言い終えた悠人さんが、優しく目を細める。
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