離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 私も同じ。悠人さんへの想いは限りがなかった。もっと近くに、もっと触れ合っていたいと思ってしまう。家族になって五年近くが経った今も、私は変わらず悠人さんに恋をしていた。

 そしてきっと、これからもずっと。

 どちらからともなく唇を重ね合わそうとしたそのとき。赤ちゃんにお腹を蹴られ、私は「あっ」と動きを止めた。

 お腹を撫でて反応に応えている私に気づき、悠人さんもお腹に触れてくる。

「つばさも聞こえてるもんな。いよいよもうすぐか。楽しみだな」

 私たちは生まれてくる子供の名前を、つばさに決めている。

 うちではふたりで話し合い、子供の性別は聞かずに生まれてからのお楽しみにしていた。

 名前も男女どちらでも大丈夫なものを考え、漢字は生まれた子供の顔を見て決める。樹里のときも同じようにした。
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