離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「あの、私……」

「急に酔いが回ったみたいで眠っちゃったんだ。起こしても反応がなかったから、住所もわからないし、とりあえず俺の家に」

「……悠人さんの家?」

 高城の返答に、私は一瞬思考が停止した。

 記憶がある限り、最後に飲んでいたカクテルはまだ三杯目だった。パーティーで少し口にしただけのシャンパンを入れても、普段なら眠るどころか酔うような量ですらなかった。

 気を張っていたから? 今まで記憶をなくすほど酔っ払った経験など一度もなかったのに、どうしてこんなときに。それもバーで眠ってしまったなんて信じられない。

 せっかくいい感じで距離を詰められていたにもかかわらず、この男にも非常識な女だと思われたよね。

 後悔の念に襲われ、私はベッドのシーツを強く握りしめた。
< 34 / 204 >

この作品をシェア

pagetop