離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 ソファーや家具は白やグレーでまとめられていて、全体的に落ち着いた雰囲気をしている。

 高城とパーティーで会ってから、約二週間が経った日曜日。私は今日、高城の住むマンションへ引っ越してきた。

 結婚するにあたりふたりで話し合い、私たちの結婚後の新居は『ひとつ部屋が余ってるんだ』と言う高城のマンションになった。

 高城の気が変わらないうちにと密かに入籍を急いでいた私をよそに、あの男も『こういうのは早いほうがいいから』とどんどん話を先へ進めていった。

 申し入れをしてから一か月後にしか退去不可の私が住んでいたハイツもすでに空っぽで、後日立ち会いを行う予定をしている。

 まさかここまで早く同居することになるとは思わなかった。

『家具や必要なものはだいたい揃えてあるから』と言われ、私がこの家に持ってきたのは大きなキャリーケースのほかに段ボール箱が四つほど。

 朝から迎えにきた高城が車に荷物を積み込み、先ほど部屋に運んでくれた。
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