離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
 マンションに到着したときにひと通り家の中を案内されたが、リビング以外に部屋は三つあるらしい。

 リビングの入り口から見て右側の手前の部屋が高城の部屋で、その奥の部屋が寝室。左側にある残りのひと部屋が私の部屋になるそうだ。

 結局用意してあると言われても心配でいろいろ持ってきたのだけれど、ついさっき部屋を見て、そんな心配は不要だったと思い知った。

 私の部屋は、今すぐ生活が可能なくらい完璧に準備されていた。

 チェリーウッドのテーブルや棚に、カーペットやカーテンはアイボリーと温かみのある部屋は、置かれている小物までいちいち私の好みで不覚にも見惚れてしまった。

 そしてリビングで私をソファーに座らせた高城は、『すぐに戻るから少し待ってて』と自室の奥へと消えていった。

 私、本当にあの男と一緒に生活するんだな。

 改めて実感していると、ブラウンのニットに黒のパンツ姿の高城が大きな封筒を手に戻ってきた。

 高城は私の隣に腰を下ろし、封筒からふたつ折りにされた用紙を取り出し、目の前のローテーブルの上に広げる。
< 49 / 204 >

この作品をシェア

pagetop