離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
「じゃあ、あとで出しに行こう。今日からよろしく。いきなりだったけど、俺は君とちゃんと夫婦になっていきたいと思っているから」

 私も同じだ。あなたとは目的は違うけれど。

「不束者ですがどうぞよろしくお願いします」

 私は姿勢を整え、深々とこうべを垂れた。

 高城が「こちらこそ」と笑み交じりに告げる声が聞こえてくる。

 いよいよ終わりに向けた日々が始まるのだと、私は太ももの上で重ねた手をぎゅっと握った。
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