離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
車に乗り込んだあと、高城は車をマンションとは逆方向に走らせた。私が目的地を訊ねないまま助手席から窓の外の流れる景色を眺めていると、車は大通りを進んでいった。
テールランプが川のように流れているその場所には夜でも多くの人がいて、表通りに面して洗練された店が建ち並んでいた。
そこから路地に入れば、もうすぐ色づきそうなイチョウ並木が何百メートルも続いている。
たしか黄金ロードと呼ばれる道だ。よく映画やドラマの撮影にも使われていると、昔テレビで見た覚えがあった。
タワーマンションや大きな一戸建てがいくつもかまえている中、この辺りは先ほどまでと打って変わって緑が豊かになっていて、ゆったりとした雰囲気を醸し出している。
二十分くらい走ったけれど、どこに行くつもりなんだろう。
そう思い私が高城を横目に見ると、突然車内にまばゆい光が入り込んでくる。反射的に顔を正面のフロントガラスへ向けると、車は白い蛍光灯の明かりが灯るコンクリートの地下駐車場に入っていた。