離婚するはずだったのに、ホテル王は剥き出しの愛妻欲で攻めたてる
エレベーターで三十五階に上り高城に連れられたのは、料亭『日乃雪』という店だった。
私が白いのれんに書かれた店名を眺めていると、高城が格子状の引き戸を開ける。
目の前には敷石が敷き詰められた玄関が広がり、私たちは丁寧に出迎えてくれた従業員に個室へ通された。
ウッドフロアの掘りごたつの部屋はモダンな雰囲気で、自然光の優しい明るさにほっとさせられた。
私は掘りごたつに腰を落とす。高城も向かいの席に座った。
この店、料亭『日乃雪』は、シュペリユールが手がけているホテル内レストランのひとつのはずだ。
それにしてもわざわざ自社の店を予約してまで私にどうしても食べさせたいものっていったいなんなのだろう。