これを愛というのなら
「蓮!来てるんでしょ?手伝って!」


衣装袋に入ったドレスを抱えて、叫ぶ梓に、

はいはい、と言いながら1着を受け取って。

カウンセリング用のカウンターに置くと、ありがと、と笑ってくれる。


やっと会えた喜びと、笑顔が見れた喜びに笑みが漏れた。



3人で運び終えた、衣装とボディーだけのマネキン。


ショーウィンドウに飾るらしい。

着々と進んでる準備。

そういえば、オープンまで1週間を切ったんだな。


「料理教室の初日っていつ?」


「再来週の金曜日だよ」


「次の日、婚礼3件だったな。真壁に任せて見に来るかな」


この、やり取りを聞いていた鈴木に。

倉本さんに会いたいだけでしょ、とからかわれて。

お前な!と、軽く額を叩くと。

痛いですよ!

膨れっ面になるから、つい吹き出してしまう。


梓は、ショーウィンドウにマネキンを置きながら。

顔を赤くしていて、可愛いな、と笑みが溢れる。

俺、かなり惚れてんなって。

改めて、実感するよ。



「で、料理教室に来る花嫁さんは集まったのか?」


「うん!予定人数以上の問い合わせがあって、日程を増やしたの!」


今度は、マネキンにドレスを着せながら、答えてくれる梓の横で。


「料理のブログで人気の早織さんが講師ですもんね!」


メンズマネキンに、衣装を着せながら、鈴木が今……早織と言ったよな?

まさか、彼女じゃないよな?



変なとこで、勘のいい梓なら俺の表情を見て、気付いちまうだろうな。

だから、つい梓を見てしまう。

マネキンにまだドレスを着せていて、俺を見てなくてよかった、と胸を撫で下ろした。


忙しい梓に、不安を与えたくないから。


料理教室の初日に、顔を合わせるか。

話し掛けられたら、どうしたらいいんだよ……

上手く話せるんだろうか……

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