俺のカノジョは
当直から約1週間後の土曜日。
久しぶりに日曜日の休みが重なった俺は、仕事終了後に春香の部屋へと向かった。
月曜日も祝日で余裕がある。
しかし、日中の疲労から家に着くなりローソファーで爆睡してしまった。
「……ちゃん……ちゃん?」
誰かに呼ばれる声が聞こえるが、眠たくて眠たくて。
「まろちゃん……の?」
何かを言われているが、よく聞こえず。
「ん……いい」
それだけ口にした。
「わかった。おやすみ」
柔らかい手に頭を撫でられ、温かい毛布を体にかけられた。
あーたぶん、春香だ。
毛布から彼女の匂いがして、それを口元まで引っ張り上げる。
せっかく休みが重なっているのに、ごめんな春香。
マジ、整形のオペ中に急変で呼ばれるなんて思ってもみなかった。
術中に動脈の血管を傷つけたらしく、あっという間に心肺停止へ。
一般病棟でウロウロしていた俺は急遽オペ室へ駆り出され、緊急でオペに入ることになり止血と血管縫合、家族への説明でてんやわんやだった。
患者は無事に整形のオペまで終了し、ICUへ入室した。
夕方まで様子を見て状態が安定していることをして帰宅したんだが、1週間分の疲労に加えて今日の出来事で疲れた。
春香の顔見たら……なんか力抜けた。