俺のカノジョは


夜が明けて室内がわかるようになってきた頃。
目を醒まして枕元に置いていたスマホで病院からの着信がないかを確認し、時計も見る。
現在、朝の7時30分。



夜中に着信はなかったようだ。

午前中には1回行かねえとなぁ。



スマホをサイドテーブルに置くと、腕の中にいた彼女が小さく身じろぐ。



「んっ……まろちゃん?」

「起きたか」

「いま何時?」

「7時半」



後ろから抱きしめたまま寝ていた彼女は目をこすりながら「おはよ」と言った。

それに返しながら、改めて春香を後ろから抱き寄せる。

昨夜は何も着ずに寝たため、彼女の柔らかい素肌が心地いい。




「今日何する?」


首筋に顔をうずめながら聞いてみた。



「うーん……」
「パンケーキ食べに行くか? 駅前に新しいのできただろ?」
「あ、いいねぇ。日帰りで温泉もいいな」
「お、いいじゃん。明日何しようか」
「あ、明日は予定あるんだ~」
「ん?」
「ドル誌解体して整理するのと、録画した番組の編集作業があるので」
「……おぉ、そっか」



さっそく、オタクとしての用事を話してきた彼女。

まぁ隠されるよりいい。
好きなことしてる方がいいしな。


ドル誌っていうのがよくわからないから、今度聞くことにしよう。

時々、春香の発言にはオタク用語が混じっている。
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