篝火
「飼育小屋の鶏2羽と兎の死骸3羽が見つかった。
用務員さんが管理されていたものだ。夜間は校門に鍵をかけているし、学校外からの人物の犯行とは考えにくい。だからといってお前らを疑ってるわけではないが———」
「え、なにその曲。雄馬それサブスク?」
「裏技して無料会員1年チケットゲットです」
「はー? お前最高かよその技術教えろよ———」
だはは、と笑い声が響く教室で残虐な事件の報告は速やかに消え失せた。
可愛かったのにね、ウサギなんかいたっけ? とか言うあいみみしていた女子の同級生に、眠りこける生徒、そして輪の中心でいつもの屈託のない笑みを向ける、佐橋。
その事件の真相はわからずじまいだったけれど、そのあとの物理の授業でずっと太めの輪ゴムを甚介の背中目掛けて同じ等間隔の時間で弾き続ける佐橋雄馬の今日は、不穏だった。
びし
びし
びし
びし
30秒ごとに、放った。
いつも笑っている佐橋雄馬の笑顔が消えたその日、50分間背中に輪ゴム銃を受けた甚介の背中は翌日青痣が出来るのだけれど、その背中目掛けて佐橋はドロップキックをかまし、髪を持ってトイレへと連れ込んで洋式のトイレに顔を突っ込ませ、そして時に血飛沫を浴びた私服でにこやかに授業を受けていた。
授業中、スマホがバイブする。
《叶恵ちゃん》
《叶恵ちゃん》
《はやくしないと殺されちゃう》
《叶恵ちゃん叶恵ちゃん》
《佐橋雄馬殺してよ》