翔んでアルミナリア
相変わらずうち沈んでいるけど、とりあえず涙は止まった。
現状がぼんやり見えてくると、この先の不安が大きくなってくる。
そこへ、牢屋番がやってきた。今までの見回りとは様子が違って、手に盆を持っている。ほわんと煮物を連想させる柔らかい匂いが鼻をくすぐる。
牢屋番は鉄格子の前で屈みこむと、無言で盆に載せたものを隙間から手早く差し入れた。匙を入れた木の椀が二つだった。
立ち上がりながらこちらにちらりと目を向けて、泣きはらしたわたしの顔を見るとすぐに視線を外した。足早に立ち去ってゆく。
「…食べようか」
蓮くんがつぶやく。
「…だいじょうぶかな?」毒でも入ってるんじゃなかろうか。
わたしがそう不安を口にすると、その心配はないだろうと蓮くんが打ち消した。
殺するつもりなら、そんな回りくどい手を使わなくても、生殺与奪の権は彼らが握っているのだ。
椀によそわれているのは、穀物の雑炊のようなものだった。おしゃれにいればオートミール? あれは麦か。
現状がぼんやり見えてくると、この先の不安が大きくなってくる。
そこへ、牢屋番がやってきた。今までの見回りとは様子が違って、手に盆を持っている。ほわんと煮物を連想させる柔らかい匂いが鼻をくすぐる。
牢屋番は鉄格子の前で屈みこむと、無言で盆に載せたものを隙間から手早く差し入れた。匙を入れた木の椀が二つだった。
立ち上がりながらこちらにちらりと目を向けて、泣きはらしたわたしの顔を見るとすぐに視線を外した。足早に立ち去ってゆく。
「…食べようか」
蓮くんがつぶやく。
「…だいじょうぶかな?」毒でも入ってるんじゃなかろうか。
わたしがそう不安を口にすると、その心配はないだろうと蓮くんが打ち消した。
殺するつもりなら、そんな回りくどい手を使わなくても、生殺与奪の権は彼らが握っているのだ。
椀によそわれているのは、穀物の雑炊のようなものだった。おしゃれにいればオートミール? あれは麦か。