翔んでアルミナリア
寝具はないし、どのみち眠れそうもなかった。
すべきこともできることも何もないけど、とにかく時間だけはたっぷりある。

わたしは蓮くんがつらつらと話してくれるこの世界のあれこれに耳を傾けた。
社会の成り立ちや、登場人物のプロフィールなどなど…
ときおり質問を差し挟む。

手を繋いでもたれ合ったまま、わたしたちは長い夜を過ごした。
ところどころ記憶が飛んだ気がするけど、それは眠りというより、緊張と疲労の果てに意識が途切れたという感覚だった。

牢屋には窓がないので、時間の経過を知るすべがない。
この状況では腹時計はあてにならないし、腕時計も携帯も没収されてしまった。

ふたたび牢屋番が食事を持ってきたので、朝なのか…と疲れ切った頭で思う。

二人で黙々と粗末な雑炊を腹に収めた。

だがその後の展開は劇的かつ衝撃的だった。
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