翔んでアルミナリア
朝食を終えてほどなく、十人ほどの兵士が鎧装備で姿を見せた。

わたしたちは牢から出され、またもロープと目隠しで拘束され、来たときと同じようにあっちへ行かされこっちで回されながら引き立てられる。

必死で希望的観測にしがみつく。もし向かう先が刑場なら、このようなまさしく回りくどい真似はしないはずだ。
わたしたちが連れられていくのは、蓮くんが推測したように査問の場なのだ。

そう自分に言い聞かせて、よろめく足を踏みしめる。

わたしの凡庸な空間認識能力で分かるのは、この建物の規模が大きいということぐらいだった。とにかく直線距離が長い。さすがは宮殿だ。
宮殿は皇帝の居城のみならず、帝政機関も集約しているというのが蓮くんの説明だった。
皇居と国会議事堂と江戸城を足したみたいな…いや、ちょっと違うか。

ようやく行進が止まり、目隠しだけが外された。

目の前には重厚な両開きの木の扉があった。幅も高さも、わたしの知る標準サイズのゆうに倍はある。
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