綺桜の舞う
出会ってからは喧嘩させてない、と呟く朔。


「ほへぇ、戦士の勲章だね」
「あいつはまぁ頑張ってんよ」


さっきからソワソワし続けている陽向と違って、蛍の水着姿を躊躇いなくカメラロールに納めようとする朔。
気づいた蛍は朔に向かって控えめにピース。
朔は今だとばかりに連写。


「……ラブラブだねぇ」
「寸胴体型必死に隠そうとしてるところが可愛い」


散々写真を撮ったスマホをカバンにしまうと、立ち上がって蛍の方へ歩いていく。


「蛍、泳ぐ?」
「……ん」


2人で海に入っていく風景を見ながら、ボーッと考え事。


叶奏ちゃんのことについて。昨日の。
あの時、ひどく冷たい目をしていた叶奏ちゃんは覚醒していたんだと思う。
ただ、それは感情のないそれではなくて、多分、誰かさんへの愛情の爆発か……。


いや、実際は自我の放棄であることは確かなんだけど、愛を意識したが故に自我を捨てたいと、思わせた、と言うか。
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