綺桜の舞う
ここでは、叶奏ちゃんの次に強いらしいよ。



飄々と、そう言ってのけると、パチンッと指を鳴らした。抗争の始まり。
俺とユッキー、琥珀ちゃんの立つ中心を除いて、すぐさま熾烈な争いが始まる。


「……こ、はく」
「ごめんね、ユキ。これだけはどうしても言えなかった。ごめんね」
「どうして」
「……ボクが1番、蛍ちゃんよりも叶奏ちゃんよりも、生粋の裏切り者かもしれない」
「……っ」


琥珀ちゃんは、ゆっくりユッキーの方へ歩みを進める。


「ボクは、刃牙の人間なんだ」


素早い動きで、高い打点の回し蹴りを繰り出す琥珀ちゃん。
間一髪、ユッキーの鼻先を掠める琥珀ちゃんの足先。


「なんで……琥珀」
「なんでもクソも。最初から言ってたよ。
ボクは刃牙の人間だって」
「助けてって言ってただろ」
「女は、騙すためならなんだってするんだよ。
嘘だってつくし、涙だって流すし、身体だって売る。
嫌いなことでも目的のためなら割となんだってできるんだね。
ユキのおかげでよくわかったよ」
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