ヤマジ君の…ヒミツ★
「桜田はる子(サクラダ・ハルコ)です。ちゃんと覚えてよね!」



あたしは眼鏡をかけなおし、立ち上がってスカートをパンパンと払うと、また席についた。



あたし達は今、先生に頼まれた雑用をこなしているのだ。

うちの高校は毎年この時期に「ヘルスアップ計画」なるものを実施していて、生活習慣のアンケートに答えなければならない。

とはいえ、こんなの形式だけ……って感じで先生も生徒もいい加減なもんなんだ。


あたしとヤマジ君はそのアンケート結果をまとめてパソコンに入力するという作業の最中だったのだ。


だいたい、自分のクラスだけならともかく、全学年のアンケートとなればかなりの量になる。

先生も1年生のあたし達には押し付けやすかったんだと思う、絶対。




――カシャン

イスを引く音がして、ヤマジ君もまたあたしの横に座った。


ヤマジ君はさっきから全くやる気がなさそう。

せっせと真面目に入力作業を行っているのは、あたしのみ。

彼はさっきから、アンケート用紙を手に取りヒラヒラさせながらそれを眺めたりしている。


問題はそのアンケート用紙なのだ。




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