夢みたもの
━・┼・━・┼・━・┼・━・┼・━
・━・┼・━・┼・━・┼・━・┼・━

あの場所の名前は何だっただろう?



赤い屋根の平屋に、雑草が混じった手入れの行き届いていない芝生の庭。

庭の片隅には、ペンキの剥げかけた2人乗りのブランコと砂場があった。



あたしが最初に住んでいた『家』



物心ついた時にはそこに居て、皆で寄り添うように暮らしていた。



どうして自分がここに居るのか分からない。

悲しくて・・・・寂しくて堪らなかった。



牢獄のような『家』



何度逃げ出しても、補導されて連れ戻される。


自分の居場所はここなんだと思い知らされて、その度に絶望した。

門の外を歩く親子連れを見る度に、胸が苦しくなった。



『幸せ』だと思った事はない。


ただ、1日も早くここから出る事ばかりを祈っていた。

月日が経つのを、毎日毎日願っていた。



身寄りの無い子供や、事情があって親とは一緒に暮らせない子供達が集まった施設。



そこが、あたしの最初の『家』


< 126 / 633 >

この作品をシェア

pagetop