夢みたもの
「施設に帰らなくていいの。この家で暮らすといいわ」

「・・・・・」


予想外の言葉に、あたしは口をぽかんと開けて女の人を見つめ返した。


どう返せば良いのか分からなかった。



今‥何て言ったの?

聞き間違いじゃない?


もう一度言って。



私の心を読んだように、女の人はニッコリ笑って繰り返した。


「ここに居て良いのよ?」

「・・・でも・・・」



『施設に帰らなくていい』



それは、ずっと求めていた言葉。

この言葉にすがりたい。

もうあの場所には帰りたくなかった。


でも


初めて会ったのに、どうして優しくしてくれるんだろう?

この人達の言葉に裏はない?


本当に信じて良いの?



戸惑ったあたしは、伏し目がちに視線をさまよわせた。


ニコニコと笑いかける外国人。

優しく微笑む女の人。

そして、興味深そうにあたしを見つめるユーリ。


あたしと目が合うと、ユーリは小さくはにかんだ。



その姿は、やっぱり本に出てくる天使そのもので、あたしはその姿に吸い込まれるように呟いた。


「ここに居て良いの?」


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