夢みたもの
「・・・・・!!」


息が止まりそうだった。


一瞬、何が起ったのか分からなくて・・・・

驚き過ぎて、頭が真っ白で・・・何も考えられなかった。


耳のすぐ近くで、あたしのじゃない・・・・航平の鼓動を感じる。

速くて大きい鼓動。

それに重なるように、少し震えた航平の声が聞こえてきた。



「大丈夫だよ」

「・・・・・」

「大丈夫。ひなこは俺が守るから」



それは航平の鼓動と相まって、あたしの頭に・・・心の中にすんなり入ってくる。

うるさかった耳鳴りが治まって、頭痛も嘘のように消えていった。


「大丈夫、大丈夫だから」


呪文のように、何度も繰り返す航平の声を聞きながら、あたしは小さく頷いた。



「・・・・・うん」


小さくそう答えて、あたしは顔を上げて航平を見上げた。

優しい色をした瞳が、心配そうに揺れている。

航平はあたしと目が合うと、頬を少しだけ赤く染めて、照れくさそうに微笑んだ。


「大丈夫?」

「・・うん・・・ありがと」


あたしがそう言って身動ぎすると、航平は慌てたようにあたしの背中に回していた腕を解いた。



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