夢みたもの
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「ひなこちゃん、オーブンの温度どう?」

「大丈夫、だと思います」

「それじゃ、生地詰めといたから絞り出して」

「あ、はい」

「膨らむ事も考えて、適当に間隔空けてね?」

「はい」


矢継ぎ早に飛び出す美野里さんの指示で、あたしは調理場を右往左往する。




土曜日。

約束通りSTRAUBを訪れたあたしを待っていたのは、ユーリと美野里さんだった。


「はじめに言っておくとね、私、結構大ざっぱなの。ま、余り気にしないで?」


すっかり顔馴染みになった美野里さんは、今ではあたしの姉のように接してくれる。

親しくなって気付いたのは、落ち着いた大人の雰囲気を持っている美野里さんは、実は口を開くと凄く明るくて大らかな人だったという事だった。



「美野里さん・・・何か上手くいかないんですけど・・」


シュークリームの生地を絞り出しながら声をかけると、美野里さんは牛乳パック片手にあたしの手元を覗き込んだ。


「うん、良いんじゃない?」

「でも、大きさとかバラバラですけど・・・」

「手作りっぽくって良いじゃない?見た目じゃなくて味で勝負よ」

「はぁ・・」


ニッコリ笑った美野里さんに、あたしは曖昧に笑い返した。






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