夢みたもの
「まぁ、親は色々言うけど、私の人生だもの。今は仕事も順調だから好きにさせて貰ってるわ」


そう言って満足気に笑った美野里さんは、あたしにはキラキラ輝いて見える。


それはきっと、美野里さんが幸せで、自分に自信があるから。

そんな美野里さんが羨ましかった。



「美野里さんって・・・キレイですよね?」


あたしは呟くようにそう言った。


「大人の女性って感じで憧れます」


そう言って美野里さんを見つめると、美野里さんは慌てた様子でコーヒーにむせ返った。


「ちょっと、ひなこちゃん?突然変な事言わないでよ!?」

「あ、すみません。でも、何か輝いてるな・・・って思って」

「あら、それは褒め言葉ね?喜んで承るわ」


口元を拭いながら美野里さんはそう言って笑うと、胸に手を当ててため息を吐いた。


「確かに、仕事も順調だし、言う事無しって感じね。あとはプライベートの充実を図るだけって感じかな?」

「プライベート?」

「そ。親がうるさいからとかじゃなくても、そろそろ身を落ち着けたいなんて・・・時々思う訳よ?でも・・・」


「恋愛だけは、昔から苦手なのよねぇ・・・」そう付け加えた美野里さんは、また深いため息を吐きながら天井を睨んだ。


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