夢みたもの
「振られた」と言いながらも楽しそうにしている美野里さんを、あたしは首をかしげて見つめた。


「あら?『訳分かんない』って顔」


あたしの眉間を指差して、美野里さんは楽しそうに笑った。


「だって・・・」

「そうよねぇ~、私も自分の事バカだと思うし、私の友達なんて、もっとボロクソに言ってくれるけど・・・」


腕組みをしてため息を吐くと、美野里さんは小さく笑った。


「自分でも分からないけど・・・駄目なのよ」

「駄目?」

「そう。何度振られても、ヤケクソで別の誰かと付き合ってみても、結局元に戻っちゃう。きっと、私が求めてるのは、ただ一人だけなの」

「・・・・」

「やだぁ、何言ってるんだろ!?」


さらに頬を染めた美野里さんは、慌てた様子で両手を振った。


「忘れて!今言った事、全部忘れて!!」

「・・・・・」

「何やってるんだろ、私・・・」


最後は自分自身に問いかけるように、美野里さんは額に手を当ててため息を吐いた。


あたしと一回りも年が違うけれど、そんな美野里さんは凄く若々しくて、不謹慎にもあたしは、美野里さんを可愛いと思った。



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