夢みたもの
「僕は『ひなこちゃん』が作ったのを食べたいんだけどな・・・」

「でも、あたしのは美野里さんのより甘いですよ?崇さん甘いの苦手って・・・」

「ひなこちゃんが作ったのは特別。ね?駄目かな?」

「そこまで期待される程の物じゃないんですけど・・・」

「いいの、いいの」


期待を込めた視線を向けられたあたしは、やがて吹き出すように笑った。


「分かりました。じゃぁ、後でお1つどうぞ?」

「ありがとう」

「お礼を言われる程の物じゃないですよ?」


あたしは半ば呆れながらそう言った。

あたしの作ったシュークリームには何の価値も無いのに、そこまでこだわる理由が分からない。

喜ぶ崇さんを首をかしげて見つめていると、ユーリが申し訳なさそうにノートを差し出した。



『ごめん。崇叔父さんは、時々変な処にこだわる人なんだ。余り気にしないで欲しい』



「そうなの?」



『芸術家の性かな?普段は常識人っぽいのに、時々子供っぽくなったり・・・ね』



「じゃぁ、ユーリもそう?」


首をかしげたユーリに、あたしは小さく笑いかけた。


「だって、ユーリも芸術家でしょ?」


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