夢みたもの
「ごめんね。無神経な事を聞いてしまった・・・・」

「大丈夫です。こちらこそ、変に気を使わせてしまってすみません・・・」


頭を下げた崇さんに、あたしは慌てて手を振った。


「本当に、良い両親に引き取られて・・・・・あたしは今、凄く幸せなんです」

「・・・・でも、」


何か言いかけた崇さんは、辛そうに眉根を寄せてあたしを見つめたけれど、やがて小さく首を振ってあたしに笑いかけた。


「ひなこちゃんは、本当にいい子だね」


眼鏡の奥で、少したれ目がちの瞳が潤んで見える。

それが凄く切なげで、あたしはどう返したら良いのか分からなかった。



「お待たせしました〜!」


崇さんから目が離せなかったあたしは、その声にハッとした。

目の前には、トレーを持った美野里さん。

ニコニコ笑ってあたし達3人を見下ろしている。


「お食事お持ちしました!何だか深刻そうですけど、何かありました?」

「美野里さん・・・」

「悠里君とひなこちゃんの分もあるのよ?さ、ご飯食べて元気出して?」


テキパキとテーブルにお皿を並べながら、美野里さんはあたしに笑いかける。


「いい男2人を1人締めなんてズルいわよ、ひなこちゃん?私も仲間に入れて?」

「も、もちろん!」


つられて笑いながら、あたしは大きく頷いた。


雰囲気が一蹴されて、美野里さんの明るい雰囲気に包まれる。

あたしはその事に安心して、ほっと息を吐いた。



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