夢みたもの
「何でもないよ」


少しの沈黙の後、あたしは絞り出すようにそう言った。

航平を直視出来なくて、頭を横に振りながら視線を落とす。


「別に・・・、航平に隠し事なんてしてない」

「・・・本当?」


口調はいつも通りなのに、あたしの手を握っている航平の手に力が入る。


いつも優しくて、ニコニコ笑っている航平。

その航平の何処に、こんな力があったんだろう・・・


航平の手を見つめて黙ったままのあたしに、頭上から質問が降りかかる。


「それじゃ、ひなこ。質問に答えて?」

「・・・・・」

「最近、土曜日に出かけてるけど、何処に行ってるの?」

「・・・・・」


黙ったままのあたしに、航平はため息を吐いた。


「ひなこ・・・質問には答えなくちゃ?」

「・・・・・」

「俺、そんなに難しい質問してるかなぁ?黙ってるのは、俺の好きに解釈して良いって事?」


そう続けた航平は、再び深いため息を吐いた。



「それじゃ、質問変えるよ?」


少し緊張気味の声でそう言った航平は、あたしの顔を覗き込むようにして言った。



「ひなこは、特クラの編入生とどういう関係なの?」



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