夢みたもの
「え?」


一瞬、何を聞かれたか分からなくて、あたしは何度もまばたきをして、航平を見つめ返した。


「・・・なに?」

「ひなこが・・・俺をどう思ってるのか知りたい。俺は、ひなこにとって、どういう存在なの?」

「どうって・・・」


何て言えば良いのか分からなくて、あたしは航平から視線を外して口籠もった。



航平は幼なじみ。

それは変わらない事実。


・・・でも、航平が求めてる答えはそれじゃない気がした。


もっと違う・・・・答え・・

あたしにとって航平は・・・・



答えを探して航平に視線を送った時。

あたしを見つめていた航平と目が合って、あたしの鼓動は大きく跳ね上がった。

鼓動の速さに合わせて頬が熱くなっていく。



航平のせいだ。

最近、航平が変な事ばかり言っているから、変に意識してる。

今まで、こんなに息苦しい思いをした事は無かったのに・・・

こんなに落ち着かない気持ちになる事も無かったのに・・・・



「ひなこ、答えて?」


答えを求めてくる航平の視線を避けて、あたしは俯きながら小さく答えた。


「航平は、・・・・幼なじみでしょ?」

「・・・・・」

「航平だってそう言ってたじゃない?幼なじみだって・・・」


それしか答える事が出来なかった。


この胸の痛みも、息苦しさも・・・・

訳の分からない感情が一杯で、それが何なのか分からない。

ただ、航平が離れて行く事が嫌で、それだけは避けたかった。



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