夢みたもの
「・・・大丈夫・・です」


美野里さんの手の温かさは、あたしを安心させてくれる。

甘えても良いんだと思えた。


「あたしは・・・どうしたら良いんですか?」


あたしはポツリと呟いた。


答えは出ないと知っている。

自分で出せない答えを美野里さんが分かる筈ないのに・・・、それでもあたしは、縋るような思いで美野里さんを見つめた。

この胸の痛み、苦しみから救って欲しかった。


「そうね・・・」


美野里さんはそう呟くと、あたしにニッコリ笑いかけた。


「ひなこちゃんがやりたいようにしなさい」

「・・・え?」

「もっと自由に!周りの事なんて気にしないで自分がやりたいようにやれば良いのよ?」

「でも・・・」

「い〜ぃ、ひなこちゃん?」


あたしにズイッと顔を近付けると、美野里さんは逆らいがたい程の強い目であたしを見据えた。


「あなたはまだ16歳。人生これからなのよ!?もっと自分の人生に貪欲になりなさい!離れた人の心を取り戻したいなら、その為に努力するの。自分が幸せになる為には何が必要なのか、よく考えるの」

「・・・・・」

「それでも、どうしても前に進めなくて辛い時には・・・、私の事を・・・周りの信頼出来る人を頼りなさい。ひなこちゃんが信頼出来ると思った人は、絶対に貴女を裏切ったりしない筈よ?」


美野里さんはそう言うと、あたしの頭を撫でて、肩をそっと抱き寄せてくれた。


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