夢みたもの
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「・・・ただいま・・」


いつもより遅い帰宅だった。

そういえば、母に連絡を入れていない。

言い訳を考える余裕が無いあたしは、叱られる事を覚悟して、力なくリビングのドアを押し開けた。


「おかえり」


最初に声をかけてきたのは、膝の上に雅人を乗せて、ソファで新聞を広げている父だった。

父の声に反応して、キッチンから母が顔を出す。


「おかえりなさい。思ったより早かったのね?」

「え?」


予想外の母の反応。

あたしがその場に立ち尽くしていると、キッチンから料理を運び出しながら、母が不思議そうに首をかしげた。


「今日は、クラスのお友達と遊んで来たんでしょ?航平君が教えてくれたわよ?」

「航平が・・・!?」

「夕方、門の処で会ってね?」

「・・・・」

「ひなこはウッカリ忘れるだろうから、って。でも、今度からそういう連絡は自分でしなくちゃ駄目よ?」

「・・・・・」

「ひなこ?」


訝しげに眉根を寄せた母は、あたしの顔を覗き込んだ。


「具合でも悪いの?」

「うぅん・・・ちょっと疲れただけ・・・」


慌ててそう言うと、母は「ふぅん?」と言って首をかしげた。



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