夢みたもの
目の前に居たのは、2人の女子だった。

その内の1人は見覚えがある。

確か‥隣のクラスの女子だ。


運動部に所属しているのか、2人は航平と同じようにジャージ姿でスポーツバックを肩に掛けている。

ただ、それぞれがあたしに向ける視線は冷たくて、これから言われる事が良い話でない事は察しがついた。


「ちょっと話があるんだけど‥‥いぃ?」


筋肉質だけれどスラリとして綺麗な子が、あたしに一歩近付いて言った。

陰口を言われる事には慣れているけれど、直接何かを言われるのは初めて。

あたしはどう答えたら良いのか分からなくて、自然と上目使いになりながら‥ただ相手の顔を見つめ返した。


「私達、陸上部なんだけど‥‥」


あたしより背が高いその子は、切れ長の目をさらに細くしてあたしの顔を覗き込む。


「最近、学校に流れてる噂が本当なのか知りたくて」

「‥‥」

「雪村さんって‥、堤君の幼なじみなんでしょ?中学の時からベッタリで、付き合ってるって噂だったもんね?」

「‥‥」

「‥‥で、別れたの?」

「‥‥」


あたしが黙っているからか、その子は不機嫌そうにため息を吐いた。



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