夢みたもの
「誤解しないでね?」


あたしの心を見透かしたのか、おばさんは困ったように苦笑した。


「ひなこちゃんには、凄く感謝してるの」

「あたしは‥別に‥‥」


うつむきがちにそう言うと、おばさんはゆっくり首を横に振った。


「ひなこちゃんが航平を救ってくれたのよ」

「‥‥え?」


意味が分からなくて首をかしげた。


あたしが航平を救った‥‥?

そんな事、ある筈ない。

航平には助けられっぱなしで、迷惑しかかけていない。


「何かの間違いじゃ?」そう口を開きかけたあたしに、おばさんは優しく笑いかける。

そして、静かに続きを話し始めた。


「航平の才能を見出だしてくれたのはアメリカの大学教授だった。そして‥その人に勧められて、航平は5歳から6歳にかけてアメリカへ行ったの」

「アメリカ‥?」

「ギフテッドは、個々の才能を伸ばす環境を整える必要がある。航平の才能を伸ばす為に、もっと上の知識を‥‥そう言われて」

「‥‥」

「でも結果として、それは間違いだった」

「間違い?」


あたしは呟くように繰り返した。

相変わらず、あたしにとって現実離れした話‥‥

おばさんの話を理解しようとしても、物語か何かを聞いているみたいだった。



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