夢みたもの
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「ひなこ‥‥出かけるの?」


12月24日。


朝から夜のパーティ準備に追われている母が、キッチンから顔を出して言った。


「今日は‥‥」

「あ‥うん。夜までには帰ってくるよ?」


「そう‥誰と出かけるの?」


眉根を寄せて首をかしげた母に、あたしは笑って手を振った。


「大丈夫。航平とだから」

「‥‥あ、そうなの?」


ほっとした表情で笑う母。

その様子を眺めながら、あたしは小さく苦笑した。


最近‥‥

母は以前に増して心配性になった。


理由は分かってる。

あたしが崇さんに送られて来てから‥‥

あの日から、母はあたしの行動に干渉してくるようになった。


誰と遊んでたのか

何処に行くのか

何時に帰ってくるのか


まだ‥あたしの事を疑ってるんだろうか?

援交なんてしてない

出来る筈ない


その事は母も解ってる筈なのに‥、どうして心配するんだろう‥?



「あたしって‥‥そんなに信用ないかなぁ?」


家を出て、あたしはため息混じりに小さく呟いた。



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