夢みたもの
何処か暖かい処で時間を潰そう。


何度目かのため息を吐いた後。

そう思い付いたあたしは、すぐに首を横に振って、頭に浮かんだ案を取り消した。



思い当たる暖かい場所。

それは、STRAUBと崇さんのアトリエだったから。


今日は、ユーリに関わる場所には立ち入れない。

ユーリはもちろん、崇さんにも美野里さんにも‥‥

今日は会う訳にはいかなかった。


別に悪い事をしている訳じゃないのに‥‥

何となく気まずい。


何となく後ろめたくて

公園に居て会ってしまったら‥、航平と一緒に居る処を見られたら‥‥と、不必要に居心地の悪さを感じた。



「航平‥‥早く来ないかな‥」


寒さのせいもあるけれど、早くこの場から移動したい。

深いため息を吐きながら、あたしは着ている服を見回した。


今更ながら、選んだ服は間違いだったと思う。

ざっくりとした短いニットのワンピースは、例えコートを着ても隙間から風が入ってくる。

いくらマフラーと手袋をしても、寒さを凌げそうにない。


空は厚い雲に覆われていて、雨が降る事があったら、確実に雪が降るに違いない。

さっきから、ため息を吐く度に白い息が風に流れた。



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