夢みたもの
「遅いなぁ‥」


9時50分。

何度目か分からないぐらい確認した携帯の時間表示。

あたしは、ため息を吐きながら携帯を閉じた。



約束の時間まであと僅か。

航平がやって来る気配はない。


いつも余裕を持って行動する航平なのに、今日はどうしたんだろう‥‥?


相変わらず人気がない公園を見回して、あたしは段々落ち着かなくなった。



約束を忘れたなんて

寝坊をしたなんて

航平に限ってありえない。




9時55分。

まだ‥‥航平の姿は見えない。



「何かあったのかな‥‥」


携帯を何度も開け閉めしながら、あたしは立ち上がって周りを見回す。


何かあったとしても、連絡ぐらいは出来る筈‥‥

そう思って携帯を握り締めているのに、携帯はさっきから、時間しか教えてくれない。



「どうしたんだろ‥‥航平‥」


不安で落ち着かなかった。

やっぱり、外で待ち合わせなんてするんじゃなかった。

そう思いながら、航平に連絡しようと携帯を開いた時。


「‥‥!!」


視界に入った人物に、あたしは目を奪われた。



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