夢みたもの
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「ひなこ、早く!」


聞き覚えのある明るい声。

その声と共に、突然闇が晴れた。



「早く 早く!!」

「待って!」

「早くしないと置いてっちゃうよ!?」

「待ってよ、ユーリ!!」



家へと続く道。


登下校は、いつもユーリと一緒だった。

家の近くまで一直線に延びる並木通り。

戸建ての家が立ち並ぶその地域は、区画整理がされていて、外国のように綺麗な街並だった。


「早く帰っておやつ食べよう?僕、お腹すいちゃった」


日の光を浴びたユーリの髪は金色に輝いて見える。

ユーリの笑顔は、その周りをも明るく輝かせる。


「‥‥やっぱり、天使みたい」


幼いあたしは、眩しそうにユーリを見つめて小さく呟いた。


「え?何か言った?」

「‥‥うぅん」


数歩前を行くユーリが振り返って、幼いあたしは慌てて首を横に振った。


「なんでもないよ?」


「ふぅん?」と首をかしげたユーリは、次の瞬間にはニッコリ笑って、幼いあたしに手を差し出す。


「はい、手 繋いで帰ろ?」

「‥‥うん」


ユーリは、おずおずと伸ばした幼いあたしの手をしっかり握りしめると、また優しく笑った。


「僕の手、離しちゃ駄目だよ?」



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