夢みたもの
「何言ってんの・・・恥ずかしいからやめてよ」


顔が熱くなる。

あたしは、航平と視線を合わせないように体ごと横を向くと、カフェオレを飲むフリをしてマグカップで顔を隠した。


「照れたひなこも可愛いよ?」

「もぉ・・・うるさい」


ますます小さくなって、マグカップで顔を隠すと、航平はクスリと小さく笑った。


「そう言えば、昼間はゴメン」

「え?」


突然の謝罪に顔を上げると、航平はうって変わって、すまなそうな表情であたしを見つめていた。


「宮藤さ・・・悪い奴じゃないんだけど、ちょっと悪ふざけが過ぎるって言うか・・・」

「あ、うん。大丈夫だよ?ちょっとビックリしたけど」


「航平が助けてくれたし」という言葉は胸の内にしまって、あたしは航平に笑いかける。


「あたしの方こそゴメンね。また航平に心配かけちゃった」

「ひなこが謝る事じゃないよ」


航平はそう言うと、少しの間あたしを見つめて、小さく息を吐いた。



「やっぱり、まだ怖い・・・?」

「・・・え?」


航平の言葉に、思わず視線を外してうつむいた。


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