おうちかいだん
全く意味がわからない。


たった1時間。


ご飯を食べて、少しのんびりしていたたった1時間の間に、痛みを感じるほどに化膿するなんて。


「何よこれ……絆創膏にまで膿が」


絆創膏をつまみ上げると、淡黄色の膿がべっとりと付着していたのだ。


気持ち悪い……。


何が気持ち悪いって、どうしてこんなに大量の膿が出て来たのかということだ。


なんて、考えたところで理由はわかっている。


あの、不気味な顔の何者かに切られたから、傷は浅くでもこんなに膿が出ているんだ。


となると……もしかしてこの足の甲の傷も?


「そ、そんなのやだよ。どうしよう……早く洗わなきゃ」


今の今まで、階段を下りたくなかったのに、今度は早くお風呂に入りたいと思うようになっている。


階段を上るのでさえあんなに怖い目に遭ったのに……下りるのはもっと怖い目に遭っちゃうんじゃないの。


上がっている時でさえ、髪の毛を引っ張られたのに。


と、何者かに掴まれた髪の毛を触ってみると……。



「ひ、ひっ! 何よこれ!」


髪を撫でた私の手に、べっとりと血が付着していたのだ。


足から出ている血ではない。


それは、髪の毛に付着している血だった。
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