おうちかいだん
なんて、考えれば考えるほど怖くなるだけだ。


今は学校に行く準備をする為に、部屋に戻らなきゃならないのに、怖すぎて戻れないなんてことになったら目も当てられない。


「大丈夫……とはとても言えないよ」


お母さんを呼んで、着替えとバッグを持ってきて……なんて言っても怒られるだけだろうし、嫌でも私が行くしかないんだ。


半ば諦めたように、大きなため息をついて。


「よし」と小さく呟いた私は、階段を上り始めた。


ギシギシと、木が軋む音が足元から聞こえる。


この音の一つ一つが、幽霊達の歓喜の声に聞こえてしまう。


私という獲物がやって来たと、騒いでいるように感じる異常な心理状態。


まるで雪山に全裸でいるような、守るものがなにもない状態で恐怖に晒されているような感じだ。


そんな中で……普段とは違う状況であの声が聞こえた。







「ねえリサ、お母さん昨日言い忘れてたことがあるんだけど」







台所から出て、階段の横から私を見上げるようにしてお母さんが声を掛けてきたのだ。


なんでこんな時に……。


振り返りたくも、立ち止まりたくもないのに。


「ごめん、後で聞く。学校に行く準備しないと」
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