おうちかいだん
「はぁ……はぁ……冗談じゃないっての。これからどうすればいいのよ……」


部屋に戻り、何も考えたくないのに考えなければならないこの状況に絶望すら感じる。


お母さんが私を追ってこないところを見ると、やっぱりあれは幽霊の仕業なんだろうけど……問題はそこじゃない。


つい先日までは何も感じなくて、普通に使えていた階段だったのに、突然こんなことになってしまって。


今では命の危険すら感じるようになってしまった。


「どうすればいいの……どうすれば……」


私は死ななくても済むの? とさえ考え始めている。


制服に着替えて、通学用のバッグを持って、部屋を出た私は目の前にある階段を見て、ブルッと身震いをした。


赤黒く錆びたリングが、壁の色と同化して見えにくかったんだと、ここからならそれが良くわかる。


……うん?


壁に直接打ち込まれたそのリングをよく見てみると、錆びているわけではなさそうだ。


「え……だったらこの色は……」


手すりに触れながらそのリングを凝視してみると……それは血だった。


私の理解を超えていて、全く意味がわからないんだけど、リングからポタリポタリとその血が垂れている。


固まっているわけでもなく、リングの表面を撫でるように。
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