おうちかいだん
それは、私の小指ほどもある太さの鎖。


思わず手に触れてしまったけれど、それが何かを理解して慌てて引っ込めた。


「これ……もしかして……」


その鎖に触れた手に、なにやらヌルッとしたものを感じる。


それは……血。


長い間、誰も開けていないはずなのに。


いや、万が一昨日これを使っていたとしても、とっくに固まっていなければおかしいのに!


私の手には、今流れ出たばかりのような血がベッタリと付着していたのだ。


その鎖の先には、先端が鋭いフックが付いている。


やっぱり間違いない。


この鎖は……階段の上のリングに引っ掛けられていたものだ。


それはわかったけれど、この情報をどう活かせば良いのかは私にはわからない。


漫画の主人公みたいに、除霊が出来るわけでもないし、この鎖にもしも怨念のようなものが取り憑いていたとしても、それを祓えるわけでもないのだから。


「だけどどうしてこの家にこんなものが……」


考えていてもわからない。


後で家族の誰かに聞いてみるしかないけど……本当にこれを聞いても大丈夫なのかな。


もしかしてこれは、私が知らない方が……知ってはいけなかったことなんじゃないかと、そっとドアを閉じた。
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