おうちかいだん
その顔に驚き、私がビクンと震えれば、不気味な女の人もビクンと震える。


「ちょ……ちょっと……真似しないでよ!」


そう言うと、不気味な女の人もそう言ったように見える。


何がどうなっているのかわからない。


見ていたら頭がおかしくなりそうなほど気持ちの悪い顔。


ただ無表情で、マネキンのような顔が私の目の前の鏡に映っているのだ。


「もしかして……ミサは追い出されたの? この気持ち悪いやつに」


詳しいことはわからないし、こんなことを考えるのは頭がおかしいと言われるかもしれないけど、私はなんとなく感じていた。


この家では昔からおかしなことが起こっていたから、そう思ってしまうのかもしれないけど。


ミサがこの不気味な女の人を怖がって逃げ出した隙に、この人が私の姿として居座ったんじゃないかって。


それほどまでに恐ろしいモノなのだろう。


そして、気付かれないでと言った言葉も、おぼろげながらわかった気がする。


私は、ミサが逃げたことを、この人に気付かれちゃダメだったんだ。


こうして、私の姿としてそこに居座られてしまうから。


つまり……私はこれから、鏡を見る度この不気味な女の人を見なければならないのだ。

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