おうちかいだん


「お前は……私じゃない」



3本目のロウソク。


瞼が重くなってきて、いつ完全に閉じてしまうかわからないという状況で、私は必死に目を開けて鏡を見ていた。


早く朝になってくれと願いながら。


もう何も考えられない。


何がおかしいとか、お前は私じゃないとか、全く意味がわからなくて、何をしているのかもわからない。


私は誰で、この女の人は何者で、ミサはどうして姿を見せてくれないんだと、頭の中はぐちゃぐちゃになっている。


「お前は……私じゃ……ない?」


そんな中、ロウソクを入れ替える鏡の中の手をチラリと見て、私は首を傾げた。


あれ……なんだろう、この違和感は。


今まで、顔があまりにも不気味過ぎて気にしていなかったけど……。


いや、頭がおかしくなっているのか、ずっと見続けていたら、私じゃないと言ってはいるものの、本当に私じゃないのかな……なんてわけのわからないことを考えてしまう。


ダメだダメだ。


私はこいつを追い払うために、お漏らししてまでこんなことをやってるんだから。


何としてでも今日で、あの顔と別れたい。


ミサが戻ってくるなら、ここまで来たらあと少しくらい乗り切れる。
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