おうちかいだん
あれから数日。
ぺたり、ぺたり、廊下を歩く音。
行きたくない、行きたくないのに今日もまた、夜中に目が覚めて。
トイレの前で、この引き戸の向こうにある恐怖に震えて、それでも今にも漏れてしまいそうで、この中に入るしか方法がなかった。
「うう……どうして夜中に起きちゃうんだろ。水分も控えてるのにどうして……」
悔やんでも、起きてしまったのだから仕方がない。
ここ最近は夜中に起きることはなかったのにな。
電気のスイッチを押し、ガラガラガラと引き戸を開けて中を確認すると……正面にいる幽霊の姿はない。
「か、勘弁してよ。またあいつが来るの……」
こうなったら、ドアの鍵を掛けずに用を足すしかない。
あいつが中に入ってきたら、音を立てないようにトイレから出る方法を取るしか。
問題は、恐怖で身体が動かなくなったらどうしようということだ。
前みたいに、大勢の顔が天井付近から私を見ていたら、また怖くて動けなくなるかもしれないし、あの気持ち悪いやつには遭遇したくない。
出来るだけ早く済ませて、気付かれないうちに出よう。
そう考えて手前の個室に入ろうとしたけれど……なぜか、個室のドアが閉じられていたのだ。
ぺたり、ぺたり、廊下を歩く音。
行きたくない、行きたくないのに今日もまた、夜中に目が覚めて。
トイレの前で、この引き戸の向こうにある恐怖に震えて、それでも今にも漏れてしまいそうで、この中に入るしか方法がなかった。
「うう……どうして夜中に起きちゃうんだろ。水分も控えてるのにどうして……」
悔やんでも、起きてしまったのだから仕方がない。
ここ最近は夜中に起きることはなかったのにな。
電気のスイッチを押し、ガラガラガラと引き戸を開けて中を確認すると……正面にいる幽霊の姿はない。
「か、勘弁してよ。またあいつが来るの……」
こうなったら、ドアの鍵を掛けずに用を足すしかない。
あいつが中に入ってきたら、音を立てないようにトイレから出る方法を取るしか。
問題は、恐怖で身体が動かなくなったらどうしようということだ。
前みたいに、大勢の顔が天井付近から私を見ていたら、また怖くて動けなくなるかもしれないし、あの気持ち悪いやつには遭遇したくない。
出来るだけ早く済ませて、気付かれないうちに出よう。
そう考えて手前の個室に入ろうとしたけれど……なぜか、個室のドアが閉じられていたのだ。