おうちかいだん
服を脱いでお風呂場のドアを開ける。


足元のタイルがひんやりと冷たくて、浴槽の蓋を横に除けてシャワーを出す。


「寒い寒い……一番風呂って浴室が暖まってないから」


震えながら、温かくなり始めたシャワーのお湯を背中から浴びて、浴室が暖かくなるように洗面器で浴槽のお湯をすくって足元にまく。


こうすることで少しでも足元から来る寒さを防ごうとしていた。


私のお風呂の入り方は、少し変わっていると人に言われる。


聞いた中で一番多かったのは、頭、顔、身体を洗ってから浴槽に浸かるというものだけど、私は違う。


まず、体を洗ったら、すぐに浴槽に浸かる。


そしてリラックスしてから頭と顔を洗って、無事にそれが終わったらもう一度浴槽に浸かるというものだ。


これも友達にはおかしいと言われたけど、こうするのにも理由があった。


頭と顔を洗う時、気を付けて入るけれど、どうしても目を瞑ってしまう時がある。


そうなったら最後、私は落ち着いて入浴なんて出来なくて、すぐにでもお風呂場から出たいと思ってしまうから。


だから、目を瞑る可能性があるものは最後にしたい。


そうじゃなかったら、ゆっくりと浴槽に浸かるなんて出来なくなるんだよね。
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