おうちかいだん
背後からシャワーのお湯を浴びせられ、ドクドクと血が延々と流れ続ける。


「は……はへ……」


声を出そうにも、喉を切り裂かれて血が口へと出てくる。


気道にも流れ込んで、むせてしまって呼吸もままならない。



なんで……私はただお風呂に入っていただけなのに。


頭を洗っていて、目を閉じてしまっただけなのに。


死にたくないと思った瞬間、背後の何かの手がうごめき、喉の傷口に指を突っ込まれた。


「げふっ! ゴポッ!」


そのあまりの激痛に身をよじらせ、手を掴んだその時だった。














「はっ!」












止まっていた呼吸が再開され、肺に一気に空気が流れ込む。


シャワーのお湯がパチパチと私の肌で弾けて、それが一定のリズムで私に刺激を与えているよう。


「はぁ……はぁ……い、今の……」


夢か幻か、私の身に何が起こったのかわからないけれど、シャワーチェアに腰掛けたままの私は、頭にシャンプーの泡が乗ったままで。


慌てて喉に触れて見るけど、切られた様子はなかった。


浴槽も普通のお湯が張られていて、あの真っ赤なお風呂場は何だったのかとさえ思う。
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