おうちかいだん
「ひっ! ひぎゃあああああああっ!」


思わず手に持った人の頭を浴槽内に落として、悲鳴を上げながら立ち上がった。


洗い場に出ようとしても、そこにもバラバラの死体があるし、どうすればいいかが全くわからない!


「な、なんなのよ! なんでこんなことになってるのよ!」


現実じゃないなら、夢とか幻なら早く覚めてほしい!


また殺されて、とてつもない苦しみを味わう前に早く!


もうまともな思考なんて出来なかった。


浴槽の中で、脚に感じる物体は人の頭だろうし、洗い場には内臓や肉片を含んだ人体が散らばっている。


逃げたくても逃げられないこの状況で……浴室のドアが開き、何者かが侵入してきたのだ。


それが誰かはわからない。


ドアの隙間から入って来た手が私の顔を掴んで、目を覆い隠されてしまったから。


「や、やめ……」


悲鳴を上げようとしたけど、その瞬間に喉が焼けるような激痛に襲われて。


声が出せなくなり、自分の血で溺れるような感覚に包まれた。


そしてまた、傷口に指を突っ込まれて無理矢理引き裂かれる感覚。


気が狂いそうなほどの痛みをずっと味わって……突然、糸が切れたかのように意識が途絶えたのがわかった。
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